世界史の寫眞

 「今週のアンテナ」用のニュースネタだけど、まとまった量書きたくなったので独立記事にした。

そのニュースはこちら。

デバイスという概念はいずれなくなる--グーグルCEO、AIへの注力を表明

記事から引用すると

Googleはあらゆる場面においてユーザーのそばに寄り添い、ユーザーが端末に何も入力しなくて済むように「支援」したいとPichai氏は説明した。

とある。記事の内容を勝手に補完すると「IT技術はどんどん空気みたいになっていって、PCやスマートフォンのような「意識的に使うデバイス」は消えていくだろう」ということになる。

(ちなみにこの記事においては「IT」という単語はコンシューマ向けのパソコンや携帯電話、スマートフォンなどをさすことばとしてつかっているので注意。 )
  この予想自体は妥当。博報堂の調査によれば、世の中の人達はスマートフォンの普及によってPCを使わなくなっている。2011年からPCへの平均接触時間は減少の一途をたどっているのだ。
そこから自分のような人間が考えているほどIT機器は一般に「ウケが良くない」と類推するのは自然だろう。スマートフォンはPCより「まだまし」かもしれないが、本当なら無くて済ませたいものに違いない。

今後人工知能やIoTの技術革新によって、コンピューターはよりアンビエントになっていくだろう。つまりわざわざPCやスマートフォンといった「専用の窓」を介さなくてもよくなるということだ。そうなればもっと「自然」なものに囲まれた暮らしができるようになるだろう。

でも、そうなった時に残るものは一体なんなんだろうか?

仮にITITしてるデバイスが消え去るというのであれば、われわれの暮らしは外見上80年代90年代に戻ることになる。パソコンやスマートフォンのような「不自然」な物体は存在せず、我々にとって「馴染み深いもの」だけで構成される世界。でも実はそれら「馴染み深いもの」たちの中にはコンピューターが入っててインターネットにもつながってるしインテリジェントに働いている、という世界がやってくるのだろうか。
 
つまり、「ただの新聞に見えるけど実は見る人にあわせて記事が書き換わっているeインク新聞」とか「見た目はただのディスペンサーボトルだけど使う人の毛髪量に合わせて出る量が変わるシャンプーボトル」とか、そーいうのが溢れてる世界になるんだろうか。(想像力が貧しくて変な例になってしまった)

少なくとも自分世代くらいまでは「IT技術で実現したもの」をIT技術以前の「何か」のアナロジーとしてとらえないと認識できない。
ITによって進化した「掲示板」「ノート」「テレビ」…は生まれたけれども、 IT以前には想像できなかったものって一体何があるんだろう。(昔の少年誌にのってる未来予想図と見比べてみると面白いかも)

紙のメモっぽいからメモだとわかる


技術革新が早すぎて、我々の知覚が技術進歩に対してまったく追いついていないということなのだと思う。
とりあえずベンヤミンの「複製…」を読みなおしてみよう。