日本的スノビズムとは何か

恥ずかしい話、自分は「水曜日のダウンタウン」とか「月曜から夜ふかし」のような下衆いバラエティ番組が好きだ。(毎週欠かさず見ているわけではないが)
最近また1つ、「有吉ジャポン」という番組を見つけた。
この有吉ジャポンは全部が全部おもしろいわけではないんだけど、「ひげガール」関連企画が素晴らしい。 なかでも「遅咲きゲイの苦悩」という回は必見。


  
この回は33歳になって初めて自分の性の問題に対して真剣に向き合いひげガールに入店した新人の60日間を追うドキュメンタリーなのだが、ボーイとして働くかキャストとして働くかといった苦悩やホストクラブで初めて女性として扱われた喜び、そしてホストクラブの闇に堕ちていく姿、30分番組とは思えない密度だ。

でもここで取り上げるのはそこではない。

この回を見て知ったんだけど、ホストクラブやキャバクラのような直接性行為を提供しない風俗店は日本にしか存在しないんだという。(番組レギュラーであるGQ JAPANの編集長が言っていた)

それをみて思ったんだけど、これこそが日本的スノビズムなのか!と気がついた。


性行為だけを目的とした場所は、現実世界の一部だ。そこの役割は動物的な欲望を発散させるだけの場所である。

一方でホストクラブは現実とは異なる世界になっている。この世界は仮想現実ともいえるかもしれないが、いわゆるリアルとは大きな違いがある。
それはその世界にははじめから意味が与えられているという点である。
その与えられた意味の中で幾多のプロセスを経て自分の物語を完成させるというのがホストクラブという場所の役割である。

茶道なんてものも考えてみればどうでもいいことに価値を無理やり見出して、その偽物の価値のために本気を出すという点では水商売とかわらない。
でもこういった偽物の価値のために本気になるっていうのが文化として大事なんだなぁと思った。