最強のUMPC作成(4) 「キングジム ポータブック」との対決

ポメラで有名なキングジムからポータブックというノートパソコンが出ているそうだ。

フルサイズをコンパクトに、たためるパソコン「ポータブック」 | キングジム

素材が安っぽいねえ、これ


どうもかなりコンセプト的に自分の作ったノートPCに近いと感じたので比較をしてみようと思う。

何度も言うけど、これは横方向に縮小した画像じゃないよ


比較は左がポータブック、右が自分の。名前がないと呼びづらいので、ここでは便宜上ビスマルクとでも呼ぼうか。(特徴でもある鉄板→鉄→鉄血宰相)誤解しないで欲しいんだけど、この記事を書くのに便宜上そういう名前で呼ぶというだけで普段からそういう名前で呼んでいるわけではない。

(スペックに関してはもととなったX89Dual OSではなく手を加えた後のものである点、ポータブックはヨドバシカメラで5分位触った程度である点は注意。)

  

比較1 スペック


CPU: Atom x7-Z8700 vs Atom Z3735F
RAM: 2GB vs 2GB HDD: eMMC 32GB vs eMMC 32GB
OS: Windows 10 Home(amd64) vs Windows 10 Home(x86)
LCD: 8インチ 1,280×768 ノングレア 液晶(TFTとしか書いていないのでTNか) vs 7.9インチ 2048x1536 グレア IPS液晶

計算能力に関してはCPUの世代が新しいということもありポータブックの方に軍配があがる。Passmarkスコアで比較すると倍近い差があるようだ。
しかし悲観するのはまだ早い。こっちはタブレット部分だけを差し替えれば即アップグレードできるのだ。たとえばすでにリリースされているXiaomi MiPad 2のCPUはポータブックと同じ世代のZ8500でeMMCも64GBのモデルが出ている。
たしかにX89を刺している今比較をすると負けてしまうわけだが、その気になればすぐに超えられるのだ。しかもiPad miniクローンと呼ばれるサイズのWindowsタブレットが出続ける限りこっちは無限に性能がアップしていくのである。

液晶画面に関しては話にならない。いくらなんでも今時フルHD以下って(笑)冗談はよしてくれという感じ。必要性云々というより、売れ残りの古い液晶パネルを使ってるんじゃないだろうかと疑いたくなる。

というわけでここはビスマルクが勝っていると判定。

比較2 拡張性


VGA: ○(2048x1536まで) vs ×
HDMI: ◎(4K出力対応) vs △(1080pまで、microHDMI)
USB: 普通サイズのUSB2.0×1 vs マイクロUSB2.0x1(充電端子兼用)
メモリーカードスロット: SDカードスロットx1 vs microSDカードスロットx1
WLAN: IEEE 802.11b/g/n vs IEEE 802.11b/g/n
Bluetooth: Bluetooth 4.0 + EDR vs 対応(詳細不明)

さすがに最初からラップトップとして設計されており、ビジネスユースを前提に作られているためポータブックのほうが強い。
外部画面出力をタブレットに求めるのは酷というものだろうか…。一応HDMIは使えるけど、アダプタを持ち歩かないといけない。USB端子もマイクロUSBしかついていないのでOTGケーブル必須、充電しながらUSB機器を使うのも特殊なケーブルを買えばできないことも無いが…という状況。こればかりは潔く負けを認めるしか無い。

一方でSDカードスロットに関してはどうか。ポータブックのほうはフルサイズのSDカードスロットがついているとはいえ、SDカードを挿すと半分くらいはみ出るタイプ。つまり常に挿しっぱなしにして増設ストレージとして使うことはできないのである。
その点ビスマルクのmicroSDスロットは挿しっぱなしにすることを前提に作られており、かばんの中で勝手にプッシュイジェクトされにくいように工夫もされている。
デジカメから写真を取り込むからフルサイズのSDが使えないとダメという場合もあるだろうし、少ないストレージの増設用に常に大容量カードを挿しっぱなしにしておきたいおいう場合もあるだろう。ここは一長一短で引き分け。

無線まわりは同じなんだけど、さっきのスペックと同様こっちはX89からMiPad2に更新すれば11ac対応になる。というわけで少しビスマルクのほうが有利かな、と。

しかし拡張性という観点で言えばポータブックに軍配が上がるのは間違いない。

比較3 携帯性


サイズ: 204(キーボード展開時は266)x153x34 vs 200x145x28
重量: 830g vs 940g(ステンレス板を薄くして制作すれば750g程度にできる)
バッテリー寿命(公称): 5時間 vs 8時間

サイズはほぼ同じ、重量は少しポータブック有利という感じだが、最初からラップトップとして設計されているにしてはちょっとこの数字はひどくないですか?と言いたい。特に厚み。
可動キーボードがあるから…、という言い訳なんだろうけども。

自分の持っているビスマルクはあくまで試作機、作りなおせば200gは軽量化できるということを勘案すると、携帯性はビスマルクの勝利。

比較4 入力


キーボード: 85キー(JIS配列) vs 59キー(US配列)
ポインティングデバイス: 光学式トラックポイント vs マルチタッチ対応トラックパッド

ポータブックのほうは6列キーボードでファンクションキーも独立。
最大のウリである変形機構のおかげで横幅も広いということがあり普通のノートPCキーボードと同じようなキー配列でキーピッチは18mmを確保。一方ビスマルクのほうは5列で変態詰め込み配列。しかもキーピッチはたったの12mmだ。
そういうとダメなように感じるが、 ポータブックはJIS配列な時点で論外。(別に気取ってるわけではなく、一回どっちかに慣れちゃうと切り替えられないんですよ)

また実際触ってみるとポータブックのキーボードは剛性がない。特に展開時に筐体からはみ出る端のキーを押すとはっきりとたわみが感じられる。また固定自体甘くてカタカタ動いていた。展示品ということを差し引いても品質には問題があるように感じた。
フルサイズキーボードである、という点だけで価値があると思うならそれでいいんですけど。

ポインティングデバイスのほうは実装方法が全然違うので好きずきということで。トラックポイントのほうがタイピングしながらマウス操作するのには向いている気もするけどスクロールはトラックパッドのほうがやりやすい、的な?

総評


やっぱ自分で工夫して作ったもののほうが愛着持てますよね。

というのを差し引いても、勝ってる気がする。本気で。

(正直ポータブックが9万というのはありえないよねぇ。 こっちは3万くらいだぞ。)