深セン探訪記

世界最大の電気街、だとか秋葉原の30倍、とかいろいろ言われているけど、実際深センとはどんなところなのだろうか?


まずはじめにいってしまうと、「深セン」という単語はカテゴリー的に「秋葉原」とは異なるレベルの言葉で「東京」と同じようなレベルにある言葉である。
深センはもともと人口1000人にも満たない漁村だったのがいまや広州と中国第三の都市の地位を争うまでになった大都市であり、住宅街もあればオフィス街もあるし、普通のデパートやショッピングモールだってある。(横浜も昔は寒村だったんだっけ?)

電気街と呼ばれるエリアは華強路という道ぞいの1エリアだけであって、エリアの広さ的には日本で言う秋葉原とそう変わらない。
(余談だけど、いわゆる秋葉原と実際の地名「秋葉原」ってほとんど重なりあってないらしいですね。)

しかし密度と縦方向への伸びがいいので秋葉原より規模が大きいのはたしか。道路の間隔が広くひとつひとつの建物のサイズ感が全く異なる。さらにまた大きいところでは1階から10階までぎっしりと店舗がつまっていることもある。
一方ですべてのビルは非常に細かい店舗が大量にひしめきあっている構造で、ほとんどの店舗は6畳ないくらい。せまいところは2畳くらい。
光景としては同人誌の即売会とほぼ同じである。



そんな中にスマートフォンの修理工場があったり(三人くらいがひしめきあってハンダゴテを握っていた)家族が仲良くご飯を食べていたり(家族みんなでやっているところが多い)日本では考えられない。


そんな深センだったけど、はっきり言って買い物に行く場所としてはそんなに楽しくない。(でも一見の価値はある)
個人ユースなものは、スマートフォンとそのアクセサリー、パソコンまわり、そしてドローンといった具合。あとは監視カメラもやたら売ってたので、家を防犯仕様にしたい人には楽しいのかも。

多いのはコネクターの専門店とかケーブル専門店とかIC専門店とかチップLED専門店とか…。いく前に作りたいものがあって必要な部品が決まっていればともかく、ふらりと立ち寄って「これ欲しい!」というところはそうない。
一緒に行ってきてくれた中国人留学生いわく、そういうところは個人の小口の買い物には応じてくれないんだとか。

「秋葉原の30倍」というよりか、秋月・せんごくがならんでいるあの通りが一つの街サイズになっているといったほうがイメージしやすいかもしれない。

IoTで一発あてたろかな、みたいな人にとっては必要な物があれば即買いにいける理想的な環境なんだろうな、と思いました。