ファイナンス思考

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ファイナンス思考という本について。

ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論

ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論

ファイナンス思考

今読んでいる本が「ファイナンス思考」。

この本はファイナンスについての解説ではない。 ファイナンス知識がない人でも読めるとは書いてあるが、用語の説明などはあまり親切ではないのでファイナンスについては予習してから読んだほうがよさそう。 僕は「ざっくりわかるファイナンス」で予習してからにした。

ざっくり分かるファイナンス?経営センスを磨くための財務? (光文社新書)

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内容をかいつまんで

筆者は、日本経済が失われたx0年(最初は10年だったのが20, 30と徐々に伸びていっている)と言われる不況から抜け出せない理由を日本の経営者のPL脳においている。

PL脳とは、本業の価値を高めることよりも損益計算書の数字にばかり気を取られ、長期的な視野に立った投資をせずに短期的な利益を出そうとする考え方。 「ざっくりわかるファイナンス」でも書かれているが、会計は過去・ファイナンスは未来に目をむけるものである。

そして損益計算書のみかけを良くすることにとらわれず、本業の価値を向上させることを目指すべきだということだ。

欧米の会計基準には「経常利益」が存在しないというが、本業を重視するという姿勢の違いの現れのひとつといえそうだ。

賃金労働者の家計に投資は存在しない

われわれはみんな自分のお金の管理はしている。 家計にもPLは存在しているわけだ。

しかし、家計と経営の間には大きな違いがある。それが設備投資が存在するかだと思う。 設備投資=直接売上を上げるために必要なものやことに投資することとする。

一応大企業につとめていたら、資格を持っていたら手当が出るので自腹で教科書を買って勉強するというのは設備投資に近いかもしれない。 多くの日本企業のように、経営陣を出世の延長として考えるようなやり方だと、この違いを認識していないままに経営者になってしまうことが多いのではないだろうか。 そのようなサラリーマン経営者は、お金のやりとりを家計の延長としてとらえ、それがそのままPL脳と呼ばれるような経営方針に反映されているのだろう。

【増補改訂】 財務3表一体理解法 (朝日新書)

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経営も専門性を持つ技術職

僕は古典的な日本企業に在籍したことはないので受け売りになるが、日本企業は製造業における研究開発を行う社員などが専門性を持つ技術職で、それ以外は「総合職」というくくりで専門性を認めていないらしい。 そして数年ごとに異動という形で異なる職種に変えてみたり、ゼネラリストという名のよそでは使い物にならないような社員を育てることに熱心になっている。 (自社の社員の市場価値を高めないことで、人材の流動性を低めて忠誠心を高めているのかもしれない) 高度経済成長期は、何をやればよいかが明確だったのでそういうゾンビみたいな社員をたくさん抱えて機械のように働かせるのが最適戦略であったといえるだろう。

まぁでも、そういうのは通用しなくなってきている。

学生時代、「国語」だけはなんとなくできる気がして勉強しない。だって日本語って普段つかってるじゃんという人が結構いた。 同じように、財務だってお小遣い帳の延長でできるんじゃない?という感覚があるのかもしれない。

ファイナンス思考を自分のプライベートに活かすとしたら

収入を増やすだけよりも、収入をどういうバランスで得ていくかということも考えたほうがよいだろう。

昨年1年、個人事業主としての収入があったのだが、こちらは副業程度ならほとんど税金はかからない。売上がほぼ全額手元に入ってくる。 実際に得られる収入という意味で言えば、個人事業で売り上げたほうが同額額面上の昇給をするよりよいことになる。

「年収」よりも可処分所得を重視していこう。

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