アフリカの印象 マルタからわずか一時間、チュニジアへの旅

日本で書いています。


2019年のマルタ短期留学に関する記事はこちら↓

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はじめてのアフリカ

マルタに2ヶ月いたわりに、この滞在中に新しく訪れた国ってルーマニアしかないなと思っていたところ、突然「チュニスに行こう」とさそわれた。 マルタからだとたったの1時間そこらでついてしまう、シチリア島の次くらいに近い外国なのだ。(ローマは2時間かかる)

スケジュール的にはかなり厳しいものがあったものの、せっかくだしと思い行くことにした。 二ヶ月マルタにいるわりに、始めて訪れる国がルーマニアしかなかったのでもう一つくらい新しい国を見たいというのと、なにより初アフリカ上陸という実績を解除できるのが魅力的だった。

夜の2時頃にマルタ発、時差の関係でチュニスにつくのは同時刻。帰りはチュニスを3:45(AM!!)に出るという弾丸スケジュール。 しかも一泊安眠できるはずだったのも同行者の移行により夜行列車での移動に変えられた。というわけで全部乗り物の中で寝ることになる。

チュニジア観光はおすすめしない

もうチュニジアに観光しに行く予定をたてて飛行機やら予約してしまった人が見ていたら申し訳無いんだけれども、チュニジア観光自体に魅力はそんなにない。 (これはその後マルタで出会ったリビア人も言っていた。アフリカに行くならモロッコが一番いいよ、チュニジアなんてなんも見るとこないでしょ、と。)

青と白の街が綺麗なシディ・ブ・サイドやバザールといったそこそこ見るものはあるんだけれども、前者は(たぶん)ギリシャのサントリーニ島のほうがよりきれいだし、後者もイスタンブールのバザールのほうが規模が大きくて品物も面白い。

カルタゴはローマ時代の闘技場跡が残っていたりと歴史ロマンを感じたけれども、すぐ後にローマに行ったらそっちのほうがはるかに良かった。

要するに、見どころとされるものがどれもどこかにあるもののショボい版という感じなのである。 2日しかなかったので、チュニジアといえばで挙がるようなメジャースポットしか行ってないけれどもそういう感想だった。

物価が安くて治安はそれほど悪くないので長期間だらだら過ごす、とかはいいのかもしれないが…。

スターウォーズのロケ地は期待していたんだけれども、調べてみたらチュニスからは遠く離れて、レンタカーを借りるかそれ用のツアーに参加するかしないと見られないようだった。

夜行列車ではるばる連れて行かれたジェルバ島も、「ビーチが綺麗」というもののマルタのコミノ島のビーチのほうが圧倒的にきれい。 片道10時間近くかけて連れてこられてそれだったので、このときは無理やり連れてきた同行者に本気で腹がたった。

そしてなにより、シンプルに街が汚い。 ゴミ箱が街中いたる所にあるにもかかわらず、街中ゴミだらけ。特に電車の車窓の風景が最悪で、みんな窓からゴミを投げ捨てているのか線路に沿ってゴミの堤防のようなものができている。

食事はおいしかったものの、日暮里でそのままの味が楽しめてしまう。現地で食べたクスクス・ロワイヤルを食べて、「日暮里のクスクスで食べるクスクスと同じだ!」というのが第一印象だった。ややこしい笑

tabelog.com

文化の違い

とはいえ、電車やらフェリーやらいろいろ交通機関を乗り継いでみたりして面白いなと思うこともあった。

博物館や電車の中ですら喫煙OKな割にガソリンがポリタンクに入って売られていたり、電車がドア開けっ放しで走っていたり、日本だったら事故が起きる前に問題になるようなことが平気で許されている。 危険について考える前に、とにかく動くことを重視しているという感じだ。

そういったところに先進国にはないエネルギーを感じた。

アフリカのポテンシャル

チュニジアやモロッコといった地中海沿岸諸国とサハラ以南では文化も何もかも違うし、ひとくくりに「アフリカ」とまとめてよいものなのかどうかはわからないが、アフリカは今後成長すると期待されている大陸である。

https://furikake.doda.jp/article/2019/02/09/1271.htmlfurikake.doda.jp

(とはいうものの、ヨーロッパとアフリカはすでに深い結びつきがあってアフリカがフロンティアだ!と今更騒いでいるのは日本くらいなのかもしれない)

人口が成長していて、鉱物資源がある。そしてインフラも中国の投資で整ってきているという状況の中で、アフリカが経済成長していくのは間違いないだろうと思う。 けれども、アフリカがかつての日本や中国のような高度経済成長を経験できるかは微妙なところだと思う。

日本や中国が伸びた時代は、消費主義・物欲の時代だった。より高いものを、より多く所有したいと思うのが当然だった時代である。だからものは作れば売れた。

けれども先進国の経済成長が滞り始めたことにより、今は物を持たなくても安く幸せになれるというテクノロジーが生まれてしまった。車とかのシェアリングエコノミーがその代表だ。 残念ながら今は世界中が繋がってしまっているため、そのテクノロジーは簡単に国境を超えて、まだ消費主義を経験していないアフリカにも訪れてしまうだろう。

そうなると物を作って稼ぐという単純な稼ぎ方ができない。 スマートフォンが一台あればInstagramを眺めてYoutubeで音楽を聞いてで一日潰せてしまう。車だって買わなくてもライドシェアすればいいし、家電とかもどんどんシェアされるようになっていく。 低成長時代のテクノロジーによって、経済成長するべき理由がなくなってしまう。

そりゃまぁ今のアフリカ大陸全土がチュニジア程度になるだけで、額面としては莫大な経済成長になるわけだけれども、その先世界をリードするような状況になっていくかというと難しいんじゃないかなぁと思う。 低成長時代のテクノロジーはプラットフォーマーが一人勝ちしてしまう、つまり先進国で資金がある先行者が世界を総取りしてしまうだけなんじゃないかなぁと。